ゴンたちと同時期にハンターとなり念能力を修得したクラピカ。
対幻影旅団に特化した能力に設定したおかげでめちゃ強いと言われていますが、それにしても強すぎないか?という疑問の声も上がります。
それぞれの指の鎖が多様な機能を果たすので、どの鎖がどんな能力でどんな使い方が出来るのか覚えきれない読者も多いはず。
今回はそんなクラピカの能力について整理してみます。

クラピカの念能力

クラピカの念能力系統は具現化系に属し、右手の各指にそれぞれ違った効果を持つ鎖を具現化し使用しています。
具現化した鎖を常に装備しているのは操作系を装うため。具現化した鎖は任意で出したり消したり(隠で見えなくすることも)出来るので、見える鎖にのみ集中させて敵を欺く事もできます。
それぞれの指の鎖について見てみましょう。
【導く薬指の鎖】ダウジングチェーン

クラピカの鎖の中では最も汎用的に使えるのがこの【導く薬指の鎖】。
特に制約を必要とせず、戦闘時に武器として使用することもある。
銃弾を防ぐなど防御面でも活躍する、通常戦闘時のクラピカのメイン武器。

ハンター試験の時に使ってた木の棒どこいった…
高い集中力を持って対象にかざすことで、物の所在を特定したり、ことの真偽を見極める事ができます。
“絶対時間”状態であれば更に精度が上がり、パソコンなどの画面上からでも真偽を見極める事が出来ます。
索敵に特化した能力で、作中ではこれを使ってサイユウがパリストンの内通者であることを見抜きました。

作中で直接描かれてはいませんが、おそらく多くの仲間の緋の目を回収するためにも必要だった能力なのでしょう。

この能力だけでも充分すぎない…?まだ他にあと4つも能力持ってるとか、ヤバすぎない?
【束縛する中指の鎖】チェーンジェイル

対象を捕縛し、強制的に“絶”状態にする鎖。
この鎖は対幻影旅団にのみ使用可能。幻影旅団のメンバー以外に使用するとクラピカ自身が即死するという制約の元に、強大な力を実現している能力です。
その強度は、幻影旅団でも随一のパワーを誇るウボォーギンですら断ち切ることは到底出来ず、捕らえてさえしまえば相手をほぼ無力化出来る必殺の鎖と言えるでしょう。
もちろん後にクロロを捕らえたのもこの鎖です。
【癒す親指の鎖】ホーリーチェーン

クラピカ自身が「一人で戦い抜く力が欲しい。」と言っていたことから、自身でヒーラーも兼ねられるように設定したであろう能力。
作中では、ウボォーギンの“超破壊拳”でバキバキに折られた左腕を一瞬のうちに完治させて見せました。
自己治癒力を飛躍的に強化するという、本来ならば強化系の能力者でないと成し得ない効力を実現しているのはもちろん“絶対時間”による補正のおかげ。
この“癒す親指の鎖”はおそらく“絶対時間”でなくても使える能力ですが、そもそもが具現化系のクラピカにとってこの能力は強化系の素養を必要とするため、通常状態ではあまり効率のいい回復手段とはなりにくいでしょう。
後述しますが、“絶対時間”の制約としてゴリゴリ寿命が削れていくので、緊急時以外に無闇に使うべき能力ではなさそうです。
【律する小指の鎖】ジャッジメントチェーン

対象の心臓に鎖を刺し、クラピカが定めたルールを遵守させる。ルールに背いた場合、即座に心臓を握り潰して即死させる。
クラピカ自身の心臓にもこの鎖が刺さっており、“束縛する中指の鎖”を旅団以外に使用した場合に発動するという制約が課されています。
基本的には対幻影旅団以外にも使用可能で、ゴン・キルア・レオリオも自ら心臓に鎖を刺してくれと頼む場面がありました。
この能力は、具現化・放出・操作の要素が複合的に必要とされるので、通常状態では使用できません。
“絶対時間”で全系統の能力を100%引き出せる状態の時のみ発動出来る能力です。
発動さえしてしまえば“絶対時間”を解除しても効力は継続します。
作中ではウボォーギンとパクノダがこの鎖によって倒されました。クロロにも使用しましたが、のちに除念師アベンガネの能力によって解除されています。
【奪う人差し指の鎖】スチールチェーン

ヨークシン編のあと長年の間謎だった人差し指の能力が、BW号船内の王位継承戦編にて明らかになりました。
奇しくも幻影旅団団長クロロの能力と同じ類の、「他人の念能力を拝借して使用する」という能力でした。

「奪う人差し指の鎖」って名前はもうちょっとなんとかならなかったのかな..。それじゃあ憎んでる幻影旅団と同じだよ。せめて【借りる人差し指の鎖】とかでよかったのでは…。
鎖の先端が注射器のような形状をしており、対象者に刺してオーラを吸い取り、能力を奪います。
オーラを吸い続ければ相手を強制的に“絶”状態にも出来ます。
能力を奪った段階で強制的に緋の目状態となり、“絶対時間”が発動します。
奪った能力は、鎖に付随する「ステルスドルフィン」にセットすることで詳細が解析され、任意で使用することが可能。自分で使う事も他人に受け渡して使わせる事も出来ます。
奪った能力は一度使えば本人に戻りますが、使うまでは“絶対時間”が強制的に継続します。
他の4本の鎖の能力に加えてこの人差し指の能力が使えるのはあまりに万能で強すぎるため、強制的に“絶対時間”を伴うこの能力は相応のリスク、すなわち制約と誓約のもとに成り立っています。
緋の目状態、すなわち“絶対時間”のヤバすぎる制約については次に解説します。
【絶対時間】エンペラータイム

クルタ族の特異体質である「緋の目」。
怒りや恐怖などにより感情が昂ると眼が緋色に変化します。
クラピカを見ていると、この緋の目の状態の時は普段より戦闘能力が向上し、行動や言動も攻撃的になりがちです。
この緋の目が発現している間クラピカは特質系になり、全ての念系統を100%の出力で引き出せるというブッ壊れ能力が“絶対時間”なのです。
制約と誓約
「“束縛する中指の鎖”を旅団以外に使った場合即座に命を落とす」という制約とは別に、“絶対時間”には重すぎる制約があることが王位継承戦編で明らかになりました。
それは
“絶対時間”の発動時、1秒につき1時間寿命が縮む
という、とんでもない制約でした。
さすがにあれだけ多種多様で万能な能力を使いこなすためには、それ相応のリスクを背負う必要があったようです。
単純に寿命が削れるだけでなく発動中はめっちゃ体力を消耗するようで、長時間緋の目の状態でいるとその後に昏倒することがあります。

ヨークシン編ではウボォーギン戦で“絶対時間”を使用した後に倒れ、丸一日気を失いました。
王位継承戦編では“奪う人差し指の鎖”による強制的な“絶対時間”を発動したまま倒れ、9時間もの間意識を失い、いたずらに寿命を削ることとなってしまいました。
このとき合計12時間もの間“絶対時間”を発動し続けて、12時間=720分=43200秒 つまり43200時間=1800日。なんと5年ほどの寿命が縮んだことになります。

暗黒大陸に行けば「ニトロ米」とか「アイ」とか、失ってしまったクラピカの寿命を復活出来そうなモノの存在が示唆されているから、なんとかなると信じたい…
「緋の目」の状態だとクラピカは特質系に変わりますが、その状態で念能力を使用する事が“絶対時間”だと僕は解釈しています。
なので、緋の目状態になっただけで寿命が削られていく訳ではありません。
ハンター試験でマジタニにブチギレた時や、ヨークシン編でオークションに出品されていた緋の目を持ち帰るときにゼンジに見せたあの表情は、緋の目状態ではあれど“絶対時間”を発動している訳ではないので寿命が削れているわけではないと考えられます。

まとめ
クラピカの念能力。5つの鎖と“絶対時間”について。
- “導く薬指の鎖”
- “拘束する中指の鎖”(対幻影旅団のみ)
- “癒す親指の鎖”(絶対時間)
- “律する小指の鎖”(絶対時間)
- “奪う人差し指の鎖”(絶対時間)
5つ中4つの鎖は何かしらの制約を前提に作られており、クラピカが素の状態で使えるのは“導く薬指の鎖”のみと考えると、かなり偏ってはいるものの、そこまでのチート能力という感じではないように思います。
多くの能力が“絶対時間”や命を賭けた制約と誓約を前提としているので、局所的にはめちゃくちゃ強くても、あらゆる状況に幅広く対応出来るかというと難しいのかもしれません。
クラピカ自身も、自分の能力が暗黒大陸攻略に役立つのかは疑問視しています。
“絶対時間”の多様によって大幅に寿命を削ってしまったクラピカですが、この先どうなってしまうのか、今後幻影旅団と対峙した時にはどんな闘いになるのか…
かなり窮地に立たされる展開になりそうな気配だらけですが、どうかクラピカには生き残ってほしいと願うばかりです。
連載再開を待ち望みながら…。
