今回は言わずと知れたレジェンド漫画【ドラゴンボール】のお話です。
セルゲーム終盤、追い詰められたセルの自爆による悟空の犠牲からの親子かめはめ波というアツい展開で締め括くくられたセル編。
しかし今思えば、もう少し楽な勝ち筋はいくらでもあったのでは…。あの結末に至るまでの過程で、多くの人登場人物たちによる数多くの判断ミスがあったように考えられます。
セル編の戦犯についてはネット上でも度々語り種となりますが、あらためて登場人物たちの愚行を整理してみしょう。
「あの時、お前がもう少し冷静に状況判断していれば平和に事が済んだはず。」 と、少年漫画のアツさに水を差す内容となっていますがご了承ください。
それでは、セル編最大の戦犯は誰なのか考えてみましょう。
ヤムチャ

まだセルが現れる前の段階。人造人間19号と20号を捜索していた際、明らかに怪しすぎる見た目の本人たちに話しかけて襲われ、挙句エネルギーを吸い取られ腹を貫かれるというアホムーブ。
主戦力にはなり得ない自分の立場を弁えて動くべき。どう見てもヤバいやつなんだから、さっさと気付いて仲間に知らせるべきだったのではないでしょうか。
もしこの時点でヤムチャがもう少し賢く立ち回っていれば17号18号を起動させることもなく、超ベジータが19号20号を倒して終わっていたはずなのです。
ピッコロ

まずセルに再生能力を与えてしまったという罪は大きいです。それさえなければ少なくとも16号に尻尾をちぎられた段階でそれ以上吸収できなくて終了していたし、完全体になってからもベジータのファイナルフラッシュでも悟空のカメハメ波でも勝負が決していたはず。
しかしながら、元々セルはピッコロの細胞も持ち合わせていたので再生能力に気づくのは時間の問題だったとも言えます。
それよりもピッコロ最大のミスは、神様と同化し強大なパワーを手に入れた時点でさっさとセルを倒さなかったことにあります。
セルと対峙した際、腕に尻尾を刺されてエネルギーを吸収され、やられたふりをして情報を聞き出そうなどというコスい知的好奇心は捨てて全力で叩けば初期段階のセルぐらいなら倒せていたはずなのです。
本人もその事を悔いていましたが、神コロ様ともあろうものがとんでもない失態です。
どうもドラゴンボールの登場人物たちは強大な力を手にすると慢心する傾向があるようです。
クリリン

せっかく作ってもらった緊急停止装置壊してんじゃねぇ!
「人造人間を実力で倒せないなら、停止させてから破壊しちゃえばいいじゃない…!」
って流れで、天才科学者ブルマが作ってくれた人造人間緊急停止スイッチを携えて18号たちの元へ向かったクリリン。
が、しかし…敵であるはずの18号に惚れかけていたクリリンは18号を停止することを躊躇し、あろうことか敵の目の前で自らスイッチを踏み潰してしまいました。
「どうか逃げてくれ。」と願いながら。
何しとんねんこの童貞!!
当時の読者もこの行動には唖然…。
完全に私情で性欲を優先してしまった結果、18号はセルから逃げられず吸収されることに。
最終的に幸せな家庭を築くことに繋がっていったので、あの判断が間違っていたとはあまり言いにくいですが…。平和のために戦う戦士としては完全にアウトです。
命を張った真・気功砲でセルの足止めをしてくれた天津飯の頑張りをも帳消しにする愚行でした。
未来へ帰ったトランクスは躊躇なく17号と18号を破壊していました。本来ならあれぐらいの冷徹さが戦士には求められるのです。
トランクス

「父さんを超えてしまった」と自信満々で完全体のセルに挑むものの、パワーに偏りすぎた変身で全く攻撃が当たらず、セルからもバカにされる始末。
自信もプライドも打ち砕かれ繊維喪失したトランクス可哀想。
のちにセル自身も我を忘れてこの時のトランクスと同じ過ちを犯してしまいます。それを見たトランクスの気持ちはお察しします。
ベジータ

何よりも、余裕をぶっこいてセルを完全体にしてしまった罪は重い。
17号を吸収して第二形態となったセルは、その時点ではベジータやトランクス以外では手に負えない強さになっていましたが、精神と時の部屋での修行を終えたベジータにとっては物足りない相手でした。
スーパーサイヤ人の壁を超えた強さを手に入れて調子に乗るあまり自らを超ベジータと呼び、セルが18号吸収するのを待ってやるという暴挙。
必死にそれを阻止しようとするトランクスの頑張りも虚しく、結果的にセルは完全体になってしまいました。
そしてベジータは完全体のセル相手に善戦するどころか圧倒的にボコボコにされて気絶。
サイヤ人王子のプライドがズタボロです。
誰が見ても愚かな行動で、セル編最大戦犯の筆頭候補です。
のちに自爆から復活したセルにやられ、悟飯に庇われて悟飯の半身を負傷させるお荷物っぷりもポイント高いですね。
ブリーフ博士

カプセルコーポレーションにて16号を修理した際に、体内に仕込まれていた爆弾を勝手に除去。
それを知らずにセルを巻き込んで自爆しようとした16号でしたが、当然不発のままセルにバラバラにされることに。
結果的に悟飯がブチギレする原因に繋がったという点では博士の功績だったとも言えるかも知れません。
それにしても除去された爆弾…。おそらく核爆弾級のものがカプセルコーポレーションに放置されてるのかと考えると恐ろしいですね。
少なくとも地球の一部を消し飛ばすほどの威力の爆発力はあっただろうと想像されるので、もし爆発していればあの場にいた全員が助からなかった…と考えると、これはブリーフ博士グッジョブともいえるかも知れませんね。
悟空

わざわざ消耗したセルに仙豆を与えた舐めプは流石に当時の読者も苦笑い。
仙豆を上手に使って悟空が頑張ればおそらく普通に勝てたのでは…。結局サイヤ人のプライドとかがそういうのを拒むのでしょうけども。
自分がある程度戦ったあとあっさり降参して悟飯へバトンタッチ。しかしその真意は誰にも伝えておらず、その場にいた誰もが困惑することに。
せめて仲間に作戦を伝えておくぐらいはしたほうがよかったはずです。
セルジュニアに仲間が襲われた際には「みんなすまねえ…。こんなはずじゃなかった…。」と自分の作戦の甘さを悔いることに。
せめて自分用の仙豆くらいは忍ばせておくべきでしたね。
それでもセル編最終盤では悟空の瞬間移動がなければ全滅していたし、悟飯のかめはめ波もあの世からの悟空の後押しによる親子かめはめ波だったからこそセルを撃破出来たので、悟空の功績は大きいです。

悟飯

怒りによって覚醒し、セルを圧倒して追い込んだものの「あんなヤツもっと苦しめてやらなきゃ。」と、舐めプ発動。
どうやらサイヤ人の血というヤツは、悦に入ると合理的な判断が出来なくなる厄介な性質を持ち合わせているようです。
さっさととどめをささなかったばかりにセルは自爆し、悟空が死亡。悟空の瞬間移動が無ければあの場で全滅していたでしょう。
さすがにその時は悟飯自身も自分の舐めプの愚かさを悔いていたのですが…
数年後のブゥ編でも舐めプをかまして事態を悪化させることに。セル戦で何も学んでいなかったようです。
やはり力を持て余すと調子に乗ってしまう性格は根本的にサイヤ人の血のせいでしょうかね。
しかし最終的には悟飯のおかげでセルとの戦いが決着しているので、悟飯は戦犯というよりセル編のMVPと言って間違いないでしょう。
まとめ【セル編の最大戦犯は】

以上、セル編の戦犯キャラを挙げてきたわけですが、結局セル編最大の戦犯は誰か…というと
ダントツでベジータだと考えられます。
セルの完全体化幇助の罪は重いです。
そもそもベジータはいわゆる「正義の味方」ではなくて、フリーザ編からの流れで悟空たちと一緒にいただけなんです。
ナッパとともに地球を侵略に来た時よりは地球人に対する害意は薄れていたとはいえ、そもそも「悪」寄りの性格なんです。
後のブゥ編でも、そういう邪悪な心を利用されてバビディーにコントロールされかけるばかりか、ブゥの復活に大きく貢献してしまっています。
そんなベジータに正義の味方ムーブを期待出来るはずがなく、己の欲求のためにセルを完全体にしてしまったのはもはや必然とも言えそうです。
他のキャラたちにも少しずつの責任はあったのですが、とにかくベジータの罪は重いです。
そんなベジータに好き勝手させないように、悟空をはじめとした仲間達がフォローしあえる仕組みを構築しておくべきでしょう。
しかしそのような連携は皆無で、いつ何をしでかすか分からないベジータを放置。
そんなところが悟空を始めとした戦士たちの社会人経験の少なさが感じ取られる部分ですね。
全体的にドラゴンボールの世界観においては「報・連・相」が足りておらず、もう少し頭を使って仲間同士が連携すればどうにかなったであろう場面が多く見られる気がします。
まぁ、そんな緻密な作戦を立てて敵と心理戦を繰り広げるような戦いは誰もDRAGON BALLに求めてないんですけどね。

せめて悟飯ブチギレ作戦は悟空が事前にみんなに説明しておくべき…