「リムショット」とは、ドラム(主にスネア)を叩く時の技術・奏法のひとつです。
そして、リムショットには「オープンリムショット」と「クローズドリムショット」があります。
同じ「リムショット」という呼び方ではありますが、それぞれ使う場面や使い方は全く違うものです。
今回は、ドラマーなら必須のテクニックである「リムショット」について、「オープンリムショット」と「クローズドリムショット」の二つをそれぞれ紹介・解説します。
単に「リムショット」とだけ言われることも多く、その場合は「オープンリムショット」のことを指すことが多い気はします。
そもそも「リム」って何?
「リム」とは太鼓のフチの金属部分のことを言います。
このリムの部分を叩くことを「リムショット」と呼ぶのです。
LUNA SEAのドラマーである真矢さんは娘が産まれた時、何かドラムにちなんだ名前を付けようと玲夢(りむ)と命名されたらしいです。
リムショットは太鼓の達人で言えば「カッ」ですね。
しかしドラムにおけるリムショットは、和太鼓のようにフチ(リム)だけをガツガツ叩くような使い方はあまりしません。
リムショットの主な使い方として「オープンリムショット」と「クローズドリムショット」があります。
では「オープンリムショット」と「クローズドリムショット」とはそれぞれどういうものなのか、見ていきましょう。
オープンリムショット
オープンリムショットとは、スネアを叩く際にリムの部分も同時に叩くことによって通常よりも大きな音を鳴らすことを言います。
通常スネアを叩く場合、打面の中心あたりをスティックの先端(チップ)の部分で叩くのが定石ですが、オープンリムショットでスネアを叩く場合、リムの部分も同時にスティックのショルダー〜シャフトのあたりを使って叩きます。
オープンリムショットで叩くことによってリム(フープ)の金属音が混ざり、よりアタック音の効いた迫力のある力強い音を鳴らすことが出来ます。
力を入れて叩く訳ではなく、うまくコントロールすることで大きな音を鳴らすイメージです。
曲の中での盛り上がる部分や、より気持ちを込めてスネアの音を響かせたい部分などで使うと非常に効果的。
オープンリムショットを意識したスネアスタンドのセッティング角度
スネアをセッティングする際、基本的にはスネアスタンドを自分側に少し傾けておくことがセオリーです。そうすることでスネアの中心をスティックのチップで叩きやすくなりますからね。
オープンリムショットを使っていきたい場合、スネアスタンドの傾きを普段より少し水平に近づけるよう意識してみましょう。
そうすることでかなり楽にオープンリムショットが打ちやすくなるはずです。
その際の角度の調整はかなり微妙なものになるはずなので、少しずつ調整して自分なりのベストポジションを見つけましょう。
あまり水平(もしくはそれ以上)にしすぎると、今度は逆にリムにばかりスティックがぶつかってしまって普通にヘッドを叩くことが困難になってしまうので注意。
クローズドリムショット
スティックを親指と人差し指でつまみ、手のひらをヘッド上に乗せて、スネアのリムを『カツ、カツ』と鳴らす奏法。
バラードなどの静かなパートや、サンバやボサノバなどでよく使われる奏法です。
できればスティックを普段とは逆さに持ち、グリップ側でリムを叩きます。(そうすることでしっかりとした音量で『カツ!』という音が鳴らしやすくなります。)場面に応じて、通常の向きでスティックを持って行うこともあります。
スティックを指でつまんで持ち上げ、リムの部分を「カツっカツっ」と鳴らすのですが、その瞬間手とスティックの根本はヘッドに触れておくことを意識します。この時の触れ方次第で、クローズドリムショットの音の良し悪しが変わります。
最も良い感じに音が響くポイントやスティックの角度は自分自身で探ってみるといいでしょう。
おわりに
今回はドラムの奏法の一つであるリムショットについて解説しました。
ロックやポップスなどで、大きく迫力のある音を出したい時に使うオープンリムショット。
曲の中で静かに雰囲気を出したい時や、ジャズ・ボサノバなどでよく使われるクローズドリムショット。
同じ「リムショット」とは言え、使われる場面やテクニックとしては全く別の奏法であるということが分かったかと思います。
どちらの奏法も、ドラマーとして経験を積んでいく上では必ず通る道です。こういったテクニックを早めに理解し習得しておくことも、ドラム上達には欠かせない要素の一つ。練習しておいて損はないでしょう。
是非、今度ドラムを叩く時にはリムショットを意識して練習してみてくださいね。