夢に真っ直ぐで素直な少年、ゴン・フリークス。
ただ純粋な少年かと思いきや、物語が進むにつれ徐々にその化けの皮は剥がれ、読者の間で「生粋のサイコパス」 と言われることも。
善悪の判断よりも自分の興味や願望の赴くままに突き進む、そんな彼の性格が時として物語をダークな方向へと運ぶこともHUNTER×HUNTERの魅力の一つではあるのですが…。
一般的な少年漫画の天真爛漫系主人公とは一線を画す存在、ゴンフリークスさんのサイコパスなエピソードの数々を見てみましょう。

ゴンのヤバさ危うさに気付いた・見抜いてた人たち
ゴンのヤバさに気付いて、いずれ大変なことをやらかすだろうと示唆していた人たち
ゼパイル

ヨークシンシティ編にて。
木造蔵の目利きや“殺し技”について興味津々なゴンを見て、「こいつは善悪に頓着がない」と気づき、「そこにあるのはただ単純な好奇心、すごいと思ったものには善悪の区別なく賞賛し心を開く。つまりこいつは危ういんだ…」と、ゴンの本質を見抜いています。
ビスケ

ゴンとキルアの才能を見越して二人に修行をつけていたビスケ。
第一級殺人犯のビノールトを圧倒出来るまでに成長したゴンを見て「あんたはフローレス」と評価する一方で、自分たちの成長のためにビノールトをある意味で利用し、「ビノールトさんありがとう!!おかげでオレ達すごく上達しました!!」と純粋な感謝を伝える様子を見て「故に危うくもあるんだわね」と、ゴンの危うさを感じ取っています。
ゲンスルー

グリードアイランド編にて。明らかに実力差がある事を自覚しつつもゲンスルーに立ち向かうゴンの両腕を捨てての蹴りよって、一撃をお見舞いした直後。
左腕を失いながらも「ここからが本番だ。」と勢いづくゴンを見てのセリフがこれ。
以前に「取引は如何にイカれてるか相手に理解させるのがコツだ」と自分で言っていたのを無事フラグ回収することになりました。
ネフェルピトー

キメラアント編。
最終的にゴンのヤバさをモロに体感する事になったのがネフェルピトーです。
負傷したコムギを治療するなか、ゴンと対峙。
実力差はあるはずなのに、極限まで研ぎ澄まされたゴンの感覚に抗えませんでした。
最終的には強制成長したゴンを相手に「ゴンの牙は王にも届き得た」と評価。
「殺されるのがボクで良かった」と安堵していましたね。
後先考えないサイコパスエピソード
基本的に後先考えないゴンくん。
数々のエピソードから、どれだけ彼がヤバい奴か見ていきましょう。
ハンター試験出発前

沼の主を釣り上げたらハンター試験を受けてもいいというミトさんとの約束。
ミトのことは大好きで、ミトさんが試験を受けることに否定的なことは分かっていたけれど、それでも自分の夢は曲げない。
そんなゴンの性格を分かっているミトさんはゴンを行かせるしかありませんでした。
ゴンはそんなミトさんの心情を分かってはいても、父親であるジンの職業「ハンター」になりたいと、自分の意思を貫きます。
とにかく自分の意思を曲げない、真っ直ぐな少年ゴンが第一話から描かれています。
カッツォを助けるため平気で海へ飛び込む。

ハンター試験会場へ向かう船での一幕。
悪天候で波が高くなり、海原は大荒れの状態だというのに船の甲板で揉めて今にも殴り合いの喧嘩に発展しそうなクラピカとレオリオ。
そんなカオスの最中、船員のカッツォがバランスを崩して船から投げ出されてしまいました。
「危ない!」と誰もが思った瞬間、ゴンが身を投げ出してカッツォの足を掴み、そしてゴンの足をレオリオとクラピカが掴み、間一髪で荒れ狂う海への落下を免れました。
…ゴン…さすがに後先考えなさ過ぎのヤバいやつ。
試験への道中で出会って間もないクラピカとレオリオのことを信頼し過ぎてます。
これにはクラピカ・レオリオもちょっと引いていましたが、何はともあれこの事で全て丸く収まり、試験へと進むことに。
ゴンの破天荒さと危うさ、「ヤバいヤツ感」を象徴する初めてのエピソードになりました。
解毒剤がある保証もないのに蛇の大群の中に突っ込む。

ハンター試験の4次試験。
洞窟内で蛇使いバーボンの蛇の毒に侵されたレオリオを助けるため、バーボンが所持しているであろう解毒剤を探しに蛇の大群へと身体を突っ込んだゴン。
結果的に解毒剤が見つかったため事なきを得たんですが、その行動に周囲のメンバーもドン引きしてました。
「きっと解毒剤はある」と、ある意味で敵のことを信頼しきっている様子。
もし解毒剤がなくても、クラピカがなんとかしてくれると信じていたのかも知れませんが…
最終試験 ハンゾー戦

最終試験、実力的には絶対に勝てない相手のハンゾーに対して全く引かない。
数時間に渡って一方的に拷問に近い攻撃を受け続け、ハンゾーがその気になれば殺されていてもおかしくはない状況でした。
全く降参しないゴンを相手にして、逆にハンゾーがギブアップ。
しかしそれはそれで納得がいっていない様子のゴンは、自分が気持ちよく勝てる方法を考えろとか抜かしてぶっ飛ばされることに。
その後気絶してる間にハンター試験は終了…。
ゾルディック家訪問

エビフライさんことカナリアにボコボコにされるも引かない。
先のハンゾー戦と言い、一度決めたら死んでも曲がる気はないもよう。
おそらくゾルディック家の執事は念が使えるため、カナリアも念で強化したステッキでゴンを殴っていたのではないでしょうか。
途中からは手加減して念は使っていなかったかもしれませんが…
カナリアが本気で殴り続けていればどうなっていたことやら。
vsギド戦

天空闘技場にて、念の基礎を学び始めて間もない頃のギド戦。
師匠であるウイングの言いつけを破って試合に出場し、挙句試してみたくて教わってもない“絶”を使い、結果重症を負うことに。
自分が痛い間に合うことよりも、興味関心や信念を最優先にしちゃう…ということがこの辺りから読者にもバレてそうです。
グリードアイランドでのドッジボール

キルアにボールを持ってもらい、“ジャンケングー”で高威力のボールを打ち出す作戦。
キルアの手がヤバいことになってるのに気付いていながらも、「キルアじゃなきゃダメなんだ。」
…普通に考えたら技術的に上手いことやれるツェズゲラさんにボールを持って貰った方が良いに決まってるのに。キルアじゃなきゃダメな理由が今だによくわかりません..。
その方が安心して威力を最大限に発揮できるという…やっぱりイカれますね。

ところでゴンの“グー”に耐えるボールって一体…。レイザーの念で具現化したボールだったのかな?
ゲンスルー戦

しっかり作戦を練って臨んだはずのゲンスルー戦。
ゲンスルーにとにかく一泡吹かせてやりたくて片腕を犠牲にしてしまい、残った右手も相当なダメージを負っていました。
ゲンスルーに、「イカれてやがる。」と言わしめて、ゲンスルー自身が言っていた「心を摘む闘い」にも結果的に勝利していました。

さすがに頭の片隅に、大天使の息吹を使えばなんとかなるって考えがあったはず…
「ごめんホントに殺しちゃうとこだった」

キメラアント編。ナックルとの決闘に敗れ、ハコワレの効果による1ヶ月の“絶”状態から復帰した直後。
モラウが「俺をカイトの仇だと思って思いっきり打ってみろ」と、ゴンを試そうとした場面。
ゴンのとてつもない練度のオーラを目の当たりにしてヤバ過ぎて冷や汗かいてたモラウさん。イカれっぷりが充分伝わったようです。
キルアが「もういい」と止めてくれて良かったですね…。
「キルアはいいよね、関係ないから」

宮殿突入後、コムギを治療していていて無抵抗なピトーに出くわして混乱し感情が無茶苦茶になるゴン。
状況を受け入れきれず暴走しそうなゴンをキルアが止めるも、
「キルアはいいよね、冷静でいられて。関係ないから。」
と、テンパっていたとはいえ酷すぎる一言。
ここまで一緒に闘ってきた親友キルアに対してこれは…。
これに対してキルアは感情を抑えてゴンに檄を飛ばしましたが、内心めちゃくちゃ傷ついてましたね。

いやお前も幼少期にちょっと会ったことあるだけやろがい!と突っ込みたい気持ちはさておき、何故あそこまでカイトに執着していたんでしょうか…。
「次ゴタゴタ言ったらそいつを殺す」

キメラアント編が進むにつれてゴンのヤバさが際立つ場面が多くなっていくのですが、これに関してはもはや少年漫画の主人公とは思えない言動。

天真爛漫な心優しい野生児のイメージはどこへやら…。
ゼノのドラゴンダイブによって負傷したコムギの治療をするピトーを待っていたゴン。
治療を終えてすぐさまカイトを治すためペイジンに向かおうとする直前、「できれば彼女を… 」と言いかけたピトーに対してこの発言。
さらにはコムギをナックル達に預けることで彼女を人質として使います。
コムギからすれば、完全にゴンの方が悪者ですね。
「お前も俺を信じてくれるだろ?」

コムギを保険として使うことで、カイトを直すまでの間、ピトーがゴンに逆らえない状況を作りました。
ピトーがカイトを直してくれることを信じる。そしてカイトを元に戻してくれたらすぐにコムギを解放するよ。だからお前も俺を信じてくれるだろ?と研ぎ澄まされたオーラを纏いながら、ほぼ脅迫のようなやり方でピトーに主導権を握らせませんでした。
ゴンさん化

そしてゴンさん化は後先考えないサイコパスエピソードの最たるもの。
ピトーを連れてカイトのいるペイジンへ辿り着いたものの、「これは直せない」と言われ、半ば理性が崩壊。
後先考えない性格だからこそ、「これで終わってもいい」と、極限まで高められた制約と誓約によってあれだけの力が出せたのでしょう。
これまでにゴンの危うさに気付いてきた人たちのセリフを見事に全回収することになりましたね。ホントに危ういヤツなのでした。


ウィングさんにも「クラピカという人の真似はしちゃダメ」って言われてたのを完全に忘れてますね。
終わりに

今回はサイコパス少年ゴンくんの後先考えないエピソードについてまとめてみました。
頭よりも先に身体が動いてしまうような、いかにも強化系といった感じの性格のゴンくん。
後先考えない無茶な行動の結果、オーラが見えなくなってしまい、現在は物語の中心からは外れています。
念能力そのものが使えなくなってしまったのかは今のところ不明ですが、ゴンの念能力が今後無事に戻るのか…はたまたゴンの再登場はあり得るのか、今後の展開に期待しましょう。
今後ゴンが物語に復帰することがあるのかどうか…個人的にはその可能性は捨てきれないんですよね…。
複雑なルールが絡み合った頭脳戦がハンターハンターの面白い所ではありますが、やっぱりゴンが主人公として活躍する冒険活劇も読みたいという気持ちは一ファンとして持ち続けています。
コミックス38巻の表紙がゴンだったのもそういう意図があるのではないかと考えられます。
ゴン復活の可能性にも少し期待しつつ、とにかく連載再開を願う今日この頃です。
それでは!