これまでハンターハンターのコミックスの表紙に様々な伏線やネタバレが描かれてきたことはご存知でしょうか。
新刊が発売された時点ではほとんどの人がそんなことには気付かず、物語が進むにつれて「あの表紙にはそんな意味があったのか!」と気付かされることがあります。
今回はそんな、「HUNTER×HUNTERコミックスの表紙に描かれた伏線やネタバレ」についてまとめてみました。

【30巻】後ろで手を組んでいる

30巻の表紙は、十二支んの面々が後ろを向いて立っている絵になっています。
物語中で、「パリストンとともにビヨンド側に通じている内通者が潜んでいる」ということが示唆されていました。
そして33巻にて、クラピカのダウジングチェーンにより内通者がサイユウであることが明らかになりました。
30巻の表紙絵は、後ろ側で手を組んでいる二人が裏で繋がっ ている(裏で手を組んでいる)ということを表していたのです。
この伏線は内通者が判明する前から話題になっていて、気付いていた読者も多いようですね。
これに関しては伏線というより、冨樫先生の絵遊び・言葉遊びのセンスが感じられて面白いです。

頭の後ろで手を組んで立っていても違和感のないようにサイユウがキャラ付けされているのが見事。
ポケットに手を入れている3人
さらにこの表紙絵には、もう一つの伏線が潜んでいると言われています。
ジン・カンザイ・ミザイストム の3人はポケットに手を突っ込んで立っており、手が見えない状態になっています。
つまりこの3人は「手の内を見せていない」と読み取る事もでき、今後どのような展開に繋がっていくのかが楽しみです。
【32巻】ジンと猫

これまでも表紙に登場人物と動物がセットで描かれることは度々あり、その都度「何かの意味や伏線が隠されているのでは」と考察されてきましたが、その多くは作者の気まぐれではないかと推察されています。
この32巻にもジンと猫がセットで描かれており、一見するとHUNTER×HUNTERのコミックスにはよくあるいつものパターンかなと見過ごしてしまいそうです。
しかし32巻の「ジンと猫」には特別な意味合いが感じ取れます。
それは、ジンの十二支んからの脱退を示していると見て取れるからです。
猫といえば十二支から仲間外れにされた動物として有名であり、奔放なジンの性格ともマッチしています。
十二支んから外れ、猫になったジンはこの先ネズミをハントするのでしょうか。(“子”であるパリストンも十二支んを抜けてしまいましたが…)
一説によると、「お釈迦さまが亡くなるきっかけを猫が作った」という話もあるようです。十二支んで言うところの「お釈迦様」はネテロの事を指すでしょうから、この説から考えると面白そうですが、それはまたの機会に…
【33巻】クラピカのドルフィン

33巻時点ではまだクラピカの人差し指の能力は明かされておらず、ファンの間ではこの人差し指から発せられた鎖とイルカがクラピカの新しい能力に関係するのではと噂されていました。
そして後の35巻にて人差し指の能力が登場し、この33巻の表紙がクラピカの能力を表していたことが明らかになりましたね。
クラピカの人差し指の鎖の能力である“盗む人差し指の鎖”は、他人から奪った能力を「ステルスドルフィン」にセットし、自分でその能力を使ったり他人にそれを付与できるという、かなり強い能力です。
強すぎるが故に、緋の目状態(エンペラータイム)の時にしか使えないという条件と、エンペラータイム発動時は1秒につき寿命が1時間縮むというとんでもない制約が明らかになりました。

今までどれだけ寿命削ったんや…今後のクラピカが心配すぎる…
よく見るとこの表紙絵でも緋の目が発動してますね。
【36巻】「ネタバレ。あえてね。」

こちらも物議を醸した表紙イラスト。
と言うのもこの表紙、ファンなら誰もがパッと見った瞬間に「12巻のヤツ!」と気付くんですよね。

12巻と36巻を見比べると、幻影旅団のメンバーのうち死亡したメンバーの位置には花が描かれていて、ウヴォーギンの位置にイルミ、ヒソカの位置にカルトが描かれています。
物語中でメンバーの入れ替えがあったのでそれ自体は気に留めるほどのことではないのですが、コミックスの裏表紙の作者コメントが物議を醸しました。

「ネタバレ。あえてね。」というコメントと唇の絵。
イルミには口が描かれておらず、「死人に口なし」ということわざから、イルミは既に死亡しているのではないかという説が囁かれています。

僕個人的にはイルミ死亡説はあまり信じてません…。というか、そんなに簡単に退場してほしくないキャラだと思ってます。
イルミ死亡説についてはまだ疑わしいと思いますが、「ヒソカがイルミに変装している」という線はかなりありそうです。
ヒソカがイルミに変装している?
手に花を持っていることからイルミが死亡していることも考えられますが、同時に、他の旅団員に花を手向ける(死をもたらす)ことの暗示であるとも考えられます。
現在BW号の船内で幻影旅団のメンバーはヒソカを殺すために動いており、ヒソカもまた旅団員を殺す気でいます。
旅団員とヒソカは一触即発の状態ですが、さすがのヒソカも複数の団員と一度に対峙してしまうと部が悪いので、確実に一人ずつ狩るためにイルミに変装しているのかもしれません。


ヒソカが一対一の戦いを好むということは散々強調されていますからね。

ヒソカがイルミに変装していると言われる根拠はいくつかあります。
- 普段イルミの一人称は「オレ」であるのに対して、BW号編では「ボク」と言っている。
- 船室へ案内されるときにシャワー付きの部屋を要求。ヒソカは水浴びやシャワーを浴びているシーンが描かれることが何度かあり、清潔感のあるキャラクターとしての印象が強い。
- 405話でヒソカが登場した際、髪の毛を下ろしている。ヒソカが髪を下ろしたスタイルで描かれるのは、天空闘技場編やGI版などでシャワーや水浴びをした直後であることが見られる。イルミへの変装を解いてシャワーを浴びたのでは?
- 膝のパッドが描かれている。元々イルミの服にはそんな膝当てはなく、ヒソカの着ている服にはある。
現在進行中のBW号編は、誰が誰に変装しているのか分からない化かし合いの戦いが繰り広げられています。
ヒソカや旅団の動向、マフィアたちの思惑、そして王位継承戦…複雑に入り組んだ状況と多すぎる登場人物、それに加えてキャラクターの変身や変装…と、ややこしすぎる状況ですが、それぞれが今後どう交錯して物語が進んでいくのか楽しみです!
【38巻】唐突に描かれたゴン

38巻の発売と同時に、物語から10年以上も離れて本編に登場すらしないゴンが突然表紙に描かれたことが話題になりました。
2024年に亡くなった鳥山明先生への追悼という説が有力ですが、それともう一つ見逃せないのが、今後の物語への復帰を示唆しているという説。
やはりゴンが主人公でないと物語が難しく複雑になりすぎるんですよね…。(それでもめちゃくちゃ面白いんですけどね。)
複雑で難解すぎる現在の王位継承戦編がひと段落して暗黒大陸に到着したら、ゴンを主人公に戻してもう少しシンプルな冒険活劇が見たい気持ちもあります。

次の39巻の表紙がキルアとかだったらその線が強くなりそうですね。
まとめ
今回はHUNTER×HUNTERのコミックス表紙に描かれた謎や伏線について紹介しました。
- 【30巻】後ろで手を組んでいる
- 【32巻】ジンと猫
- 【33巻の】クラピカの鎖とドルフィン
- 【36巻】「ネタバレ。あえてね。」
- 【38巻】物語に登場しないゴン
この記事に書いたもの以外にも、コミックスの表紙にまつわる伏線・謎・小ネタはいくつも存在します。
もしかしたらまだ明らかになっていなくて誰も気付いていない伏線がどこかの表紙に隠されている可能性もあります。
冨樫先生は気まぐれに表紙を描くことも多いので、もしかしたらあの巻のあの表紙が今後の内容に関わる伏線になるかもしれないし、何の関係もないかもしれないんです。
謎や伏線がたくさんあり、今後の展開が気になりまくるHUNTER×HUNTER。一刻も早い掲載再開を願う毎日です。
