HUNTER×HUNTERには、「殺された」(死んだ)と思わせて相手に実力差を“理解らせる”演出がたまにあります。
概ね、圧倒的な強者が相手に対して実力の差を理解させる時に使われるこの表現。
読者としても、やられた側のキャラクターと同じ思いを体験するように一瞬びっくりするんですよね。
僕が個人的に好きなこの演出の数々を紹介していきます。
サダソをわからせる

天空闘技場200階クラスにて、念の存在を知らずに勝ち上がってきた者に洗礼を浴びせ、カモにして稼ごうとするセコイやつらの1人。
ズシを人質にとって楽々不戦勝を勝ち取ろうとしたところキルアの逆鱗に触れ、控え室で“理解らされ”ました。
彼らもそれなりに念能力は扱えたはずですが、念能力を覚え始めたばかりの天才キルアに手も足も出す、ただ脅されただけでも格の違いを感じ取ったようです。
パームがキルアを刺した?

キメラアント編にて。
ナックルとの戦いの末に念能力が使えない状態となったゴンに交際を迫るパーム。
実際そんなことしてる暇はなく、無理矢理パームの元からゴンを引き離そうとするキルアに対してのパームの一撃。
ナイフがキルアの額を貫いたかに見えましたが、実際は難なくかわされていました。
“理解らせる”行動としては逆に失敗してるパターンなのですが、読者としては一瞬ドキッとしてしまうシーンですね。
パーム自身は強化系の能力者なので、もし戦闘に特化した能力を持っていればさすがのキルアもこの時やられていたかもしれません…。
メルエムがウェルフィンを

貧者の薔薇の爆発から復活した王メルエムと対峙したウェルフィン。
ププの能力“鱗粉乃愛泉”をもより高次元で備えたメルエムには、ウェルフィンの敵意は筒抜けの状態。
発する言葉を間違えれば即死という極限の状況下で、1秒後にはこうなることを“理解”したウェルフィンは、一瞬にしてシワシワに変わり果ててしまいました。
そんな状態で絞り出した
「コムギ…?」
という一言が、キメラアント編の物語をあの終幕へと向かわせることになります。
まさに彼は、物語をキレイに終わらせるための存在…“WELL FIN”だったという話は有名ですね。
ジンが顔面をボコボコにしたアイツ

ビヨンドの暗黒大陸への渡航を巡って、ジンがパリストンのもとを訪れた場面。
いきなり現れてケンカ腰のジンに対して「べらんめえ上等だコノヤロー!!」と息巻くも、即座に“理解らされて”しまいました。
彼もパリストンと共に暗黒大陸を目指す協専ハンターの一人なのできっとそれなりの能力を持った強者のはずですが、作中最強格のジンには手も足も出なかった様子。
今のところは彼の名前も能力も全て不明。(巷では、大工の源さんとかど根性ガエルの梅さんとか呼ばれてますが…)
ツェリードニヒの能力による追体験

「理解らせる演出」とは違うんですが、ツェリードニヒがテータに脳天を銃撃されてやられたかに見えたシーンがあります。
このシーンはツェリの能力によって無かったことにされた未来なんですが、本来ならば脳天をぶち抜かれてやられていたんですよね。
読者がゾクゾクしたように、ツェリ本人もこの状況と念能力の奥深さに気づいたことでゾクゾクしていました。
うん、こわい。
殺してでもボールとりたくなっちゃうもんな

ハンター試験編にて、キルアが飛行船内で他の受験生をバラバラにしたのもたぶんこれ…だと僕は思ってます。
じゃないとキルアのこの行動は擁護しようがないし、さすがにゴンもキルアと仲良くなれないはず。
そしてなによりこの2人が可哀想すぎる…。
まとめ

HUNTER×HUNTERでたまにある「死んだ(やられた)と思わせて解らせる」演出について紹介しました。
どのシーンもキャラクター自身に“理解らせる”と同時に、それを読んでいる読者を驚かせたりインパクトを与えられる描き方です。
そんな表現を頻繁に使うのではなく、忘れた頃に不意打ちで見せられるので、読者としても絶妙にドキッとさせられますね。
今後恐らく未知の力を持つ敵が待ち構える展開が期待されているので、このような演出がきっとまた見られるはず…!ひっそり期待して連載の再開を待っています。