めちゃくちゃ強そうな印象を与えておいて、特に戦闘シーンもないまま次の瞬間にはやられてる…。
そんな冨樫義博先生お得意の肩透かしが大好きなんです。
HUNTER×HUNTERには欠かせない、ポっと出の咬ませ犬になってしまった彼らを集めてみました。
可哀想な彼らもまた物語を味わい深くするために必要なんです。しっかり味わってあげましょう。
無限四刀流の人

前年のハンター試験の試験管だったらしいですが、ヒソカにボコボコにされ今回はその復讐のためにヒソカを襲ってきたらしいです。
なんかもう、色々と残念な人。
ハンター試験の試験官だったということは彼もまた一端のハンターだったはずで、念能力も修めていたはずなんですが…ほんとにハンターなのかと疑いたくなります。
僕個人的には「自称試験官」をやってたただの一般人かなと思ってます。
必死に練習して受け止められるようになった「無限刀流」とやらをあっさりヒソカに止められて絶望してましたね。「無駄な努力ご苦労様」と。
真っ当に考えれば彼は放出系の能力者で、それを活かしてああいう武器を使ってるのかな…と考えられるのですが、改めて考えると放出系ですらない可能性すら感じられます。
「飛んでくる短刀を受けるのに半年かかった」とか自分で言ってますし、せめて自系統にマッチした能力ならもうちょっとなんとかなっただろうし。
おそらく、自分の適性は具現化系なのに実物の短刀で放出系や操作系の力を使いながら戦っているぐらいのバカなんじゃないかな…と。まさにメモリの無駄遣い。
ヒソカの攻撃を楽々受け止めていたサトツさんとの格の違いが伺い知れます。
ジョネス

同じくハンター試験編、第三次試験のトリックタワーでゴンたちと相対しキルアと戦うことになった囚人のひとり。
異常な指の筋力で容易に人の肉体を引き裂くことができることから、「解体屋ジョネス」という名で有名なようです。
おそらくジョネスも無意識のうちに念能力に目覚めて指先の力に特化した強化系だったのでしょうが…
いかにもヤバげな雰囲気を醸して登場し、レオリオもキルアに「オレ達の負けでいい。あいつとは戦うな。」と忠告しましたが、結果はキルアにあっさりハートキャッチされて試合終了。

見事な咬ませ犬っぷりで逆にキルアのヤバさを引き立たせることになりました。
明らかに強そうでヤバい雰囲気の相手を一瞬で葬り主人公サイドの仲間の強さを見せつける流れ…これはまさに冨樫先生が幽遊白書で見せた、飛影vs青龍の戦いを思い出させますね。

↑飛影も仲間入り後の初戦で圧倒的な強さを見せつけていました。
手刀を見逃さなかった人

おそらくHUNTER×HUNTERの名もなきモブキャラの中ではダントツに認知度が高いのが彼でしょう。
HUNTER×HUNTERを知らない人でもどこかで一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。
手刀を見逃さなかったばっかりにクロロと戦い、特に見せ場もないまま“密室遊魚”の餌食となってあっさり退場することとなりました。
しかし「恐ろしく早い手刀 オレでなきゃ見逃しちゃうね」というセリフがネットミーム化し、本人以上にセリフが有名になっていくこととなりました。
陰獣

ヨークシン編にて、マフィアのトップである十老頭お抱えの武闘派集団として登場。
それぞれの面々がクセのあるビジュアルで強力な能力を持つ実力派だったはずが、幻影旅団の実力を引き立てるための噛ませ役となってしまいました。
陰獣のうち何名かは名前付きで登場し、ウボォーギンを相手にいくらか善戦はしたものの、圧倒的なパワーの前になす術なく壊滅させられる事となりました。
陰獣のうち半数は名前すらも登場しないままやられてしまったのが残念です。
物語が進むにつれ、実は陰獣は物凄い使い手の集まりだった…という再評価の流れもあるほど。
ラターザ

グリードアイランドのゲーム内に入ったばかりのゴンとキルアを早速迎え撃ったのがこいつ。
ゲームのルールを知らないゴンキルに対してスペルカードによる攻撃を仕掛けるも、キルアのただならぬ圧にビビって退散しました。
グリードアイランドのゲーム内にいるプレイヤーだということは、彼も少なからず念能力が使える念能力者のはず。
肩に付いてる「風」や「雷」の文字から察するに、そういったネイチャーパワーを操る変化系能力者だったのでしょうか…。
残念ながら次に登場した時にはフィンクスとフェイタンによってあっさりやられていたため、彼の能力は謎のままです。
ベラム兄弟

ゴンたちがグリードアイランドにおける指定ポケットカードを全て集め、あとはエンディングを迎えるのみ…というタイミングで立ちはだかった彼ら。
ゴンたちに指定ポケットカードをコンプするほどの実力があるということを全く頭に入れていなかったのか、完全に舐めきった態度でケンカを打って案の定瞬殺されるという、なんともモブっぽいアホムーブを見せてくれました。
彼らもグリードアイランドの厳しい競争に生き残ってきたそれなりの強者だったはずなんですが…。
そしてこのシーン、なんか既視感あるなと思ったらやはり幽遊白書でも似たような場面がありました。

名もなきモブ妖怪が幽輔と飛影に因縁を付けてくるシーン。もちろんこの直後に2人に瞬殺されました。
ユンジュ

人間を家畜やペットのように首輪を付けて扱い、「ポチ」とか名付けて飼い慣らしていたキメラアント。
おそらく師団長クラスですが、師団長のなかでもトップクラスに悪辣でまさに悪役という感じの胸糞キメラアント。
彼もまたそれなりの強者だったと思われますが、カイトによってバトル描写もないまま瞬殺されていて、「頭を潰せ」という対キメラアントの戦い方をゴンキルに教えるための布石とされました。
後にゴンはネフェルピトーとの戦いでしっかりと頭を潰していました 。ここでのカイトのセリフがまさかの伏線になっていたんですね。
まとめと終わりに
冨樫義博先生がよく使う肩透かし。強者感を漂わせて登場したけど瞬殺された可哀想な脇役たちを紹介しました。
- 無限四刀流の人
- ジョネス
- 手刀を見逃さなかった人
- 陰獣
- ラターザ
- ベラム兄弟
- ユンジュ
こういう「持ち上げて落とす」みたいなパターンがあるからHUNTER×HUNTERは面白い!
キャラクター設定だけでなくストーリー展開においても、時折り読者の想定の斜め上を行く流れでで肩透かしを食らわせてくるのが冨樫先生です。
現在、暗黒大陸へと向かうBW号の船内での複雑怪奇な物語が展開されていますが、「レベルE」のように、ハラハラと息の詰まる展開の裏で実はこんなことになってました!…と、突然物語の土台をひっくり返すようなネタバラシがあるかもしれません。
「実はもう内側の世界には暗黒大陸出身の生物がわんさか住み着いていて、それを知らないのは人間だけ…」とかいう、完全にレベルEそのものな設定を使い回してくる可能性だってあります。
暗黒大陸にたどり着いた!…と思ったら急に時間軸が飛んで「数年後…」と、幽遊白書のようにいきなり最終回へと向かう展開になるかもしれません。

そんな、読んでいて気の抜けないのがHUNTER×HUNTERの面白いところ。
HUNTER×HUNTERの物語の引き立て役となってくれているモブキャラたちに感謝!