ゴン大きな目標である「親父に会う」ということの道中をこんなにも素敵に描いた作品であるHUNTER×HUNTER。
数々のエピソードのどれもが、よくよく見てみれば「目標のための道中を描いたお話」で、その中でゴンを中心としたキャラクターたちが成長していく物語です。
今現在進行しているBW号での王位継承戦編も「暗黒大陸へ向かう道中」での出来事であり、大きな目標のための道中での出来事に過ぎません。
ゴンがハンター試験を受けてハンターになることも、ジンに会うという目標のための初めの一歩でした。
ヨークシン編も、グリードアイランドというゲームソフトを手に入れるための道中。
グリードアイランドも、ジンに近づくための手段としてのもの。
そこにジンがいないことが告げられてからも、「ゲームを楽しめ」というジンからのメッセージを受け取ったゴンは、全力でゲームクリアに挑みました。
そしてグリードアイランドをクリア後、カイトと再開してキメラアント編へ。
キメラアント編の紆余曲折を経て大きく成長したゴンは、選挙編にてジンとの邂逅を果たしました。
【道草を楽しめ】という言葉は作品の中でジンのセリフですが、これはHUNTER×HUNTERの物語全体を通しての冨樫先生からのアツいメッセージなのではないでしょうか。
「道草」を楽しんでいますか。

HUNTER×HUNTERという作品が好きなアナタならきっと「道草を楽しめ」という言葉に心打たれたはず。
自分がどうありたいか、どう生きたいかを考えた時に、その目標に向かって行くためには色々な苦難や山場があって、それらを一つずつクリアしていかなければならないはずです。
そしてその苦難の一つ一つはさらに細分化できるはず。
その細分化した一つ一つを乗り越えて、自分の道を築いていく途中で色々な人と出会い、色々な経験をするのか人生。
その道中を「大いに楽しむ」ことが大切なんだとジンは教えてくれています。
そうすれば、「大切なものは、欲しいものより先に来た」と…。
結局人生ってそういうものなんじゃないかなと思うのです。
道中(道草)をこれでもかと描いている王位継承戦
本来ならさっさと暗黒大陸に到着してそこでの冒険が始まってもいいはずなんですが、なんとまぁそこに至るまでの道中での出来事をこんなにも複雑で難しく、だけどメチャクチャ面白く描いているのが現在の王位継承戦及びBW号編です。
普通に考えるとカキン国の次期王様が誰になるかなんてハンターたちには全然関係無いはずで、並の漫画なら「さっさと暗黒大陸編に行ってくれよ」という読者の声が爆発するでしよう。
しかしそうはさせないのが冨樫義博先生のすごいところ。
船内での壺中卵の儀と、逃れられない継承戦という舞台ルール設定、各王子たちの思惑が交錯する中クラピカをはじめとした既存のキャラクターの再登場、果ては幻影旅団も交えた大乱戦へと発展しそうな予感をはらんで物語が進行しています。
それぞれの思惑が入り混じる、まさに混沌。
ハンターハンター史上最も複雑で難解なストーリーが、まだ見ぬ暗黒大陸編への前哨戦であり道中。作者的にも道草を楽しんでいる真っ最中なのではないでしょうか。
おわりに

HUNTER×HUNTERを知らない人にも伝えたいこの言葉。
【道草を楽しめ】は、あらゆる人の人生に寄り添ってくれる至言だと思います。
仕事に家庭に、学校に勉強に、日々の生活に疲れているあなたに、ちょっと一息ついて人生を楽しめているか考えてみてください。
目標に向かって頑張ることは素晴らしい。
でもその過程の色々なことを大切に出来ていますか。
その道中にある楽しいこと、面白そうなこと、しっかり味わっていきましょうよ。
欲しいものはきっとそっちに転がってる!
この言葉を受け取ったゴンは何を思い、これからどう行動していくのか…。今後のゴンの再登場にも期待。

【道草を楽しめ】
我が子にも伝えたい言葉です。