HUNTER×HUNTERって、すんごい計算された伏線が張り巡らされた漫画かと思いきや、結構行き当たりばったりで描いてるやろコレって要素も多い気がします。
いわゆる「風呂敷広げまくったまま放り出す」パターン。
何か意味ありげに匂わせといて、結局何だったのアレは?って思っちゃうこともチラホラと…。
そんなところもまたHUNTER×HUNTERや冨樫義博という人の漫画の面白さであり魅力なんですけどね。
今回はそんなHUNTER×HUNTERの、「アレは何やってん!www」とツッコみたくなる要素を挙げて考察してみようと思います。
ジャイロ
コレはもうHUNTER×HUNTER読者なら誰もが感じたであろう「アレは何だったんだ」要素ナンバーワン。
丸々一話使って説明して、キメラアント編の鍵を握るキャラにでもなるかのような大物感を漂わせておいて…あんまり意味なかったよなぁ…。
結局素顔を見せる事もなくどこかへ行ってしまい、物語に直接絡んでくる事もありませんでした。比類なき悪意と確固たる目的とは…。
キメラアント編終盤で生き残ったキメラが「ジャイロに会いに行く」だのと言ってましたが、正直読者側からするとそんなにジャイロジャイロと言われても全然親近感のあるキャラクターでもないし、よく分からんな…って印象でした。
パリストンが抱えている5000個の繭の件もあるし、これから先の暗黒大陸編のストーリーに関わってくる可能性もなくはないですが…。
初登場時のビスケ
グリードアイランド編にて登場。ゴンとキルアと共に行動し、二人の念能力の師匠としてゲームクリアにまで導いた立役者といっても過言ではないのがこの人。ビスケ。
ゴンとキルアの成長に大きく影響を与えただけでなく、二ツ星ハンターとして協会内でも確固たる地位を築いている凄腕のストーンハンター。
現在は王位継承戦編にも登場し、今後の活躍が期待されています。
しかし、そんな彼女の初登場時はどう見ても敵キャラ感満載でした…。
ゴンキルの二人を陰から見て「ムチャクチャにしてやりたい」とか言ってる、女版ヒソカみたいな印象でした。
きっと登場当初はゴンとキルアのゲームの進行を邪魔するキーパーソンとして描かれる予定…だったはずが一転。
何故か急に二人に念を指導するおせっかいオバさんにシフトチェンジ。
“ムチャクチャにしてやりたい気分”とか言ってましたが、結果的にムチャクチャに修行をつけてくれました。
冨樫義博先生の中でいったいどういう変更があったのか、それとも初めからそういう予定だったのか、それは作者のみぞ知る…。
あのままビスケが敵として進行するストーリーも見てみたかった気はします。
そうなると念能力の設定とかも含めて、今とは全然違う方向にストーリーが展開していってたかもしれませんね。
ブハラの食べた量問題
ハンター試験編、二次試験の試験官であるブハラが指定した課題が、豚の丸焼きを作る事でした。
豚の丸焼きは「オレの大好物」と本人が言っていましたが、結果的には受験生から提出された70頭ぶんを全てブハラ1人で平らげてしまいました。
食べた量が多すぎることについてクラピカも疑問を呈していましたね。
レオリオがツッコミを入れているように、これらの一連の場面は一見するとただのギャグ的要素として流されそうなシーンなのですが、実はこれがブハラの念能力だと考えれば説明がつきます。
彼の見た目や言動からすると、とにかく食べることが好き。同じ美食ハンターであるメンチと比べると食べ物の質へのこだわりはそれほど強くないように思われます。
「とにかく美味しい物をたくさん食べたい。」という欲求や食への探究心から、体内で何かしらの能力を発現しているのではないかと考えられます。
例えば、口や胃の中で梟の“不思議で便利な大風呂敷”のような能力を発動し、食べたものの体積を最小化している…など。
または、ノブの4次元マンションのような能力で食べた物を別の念空間へ転送する能力…なんてことも考えられますね。
豚の丸焼きを大量に食べてお腹が膨れている描写があるので、実際に料理を食べたという満足感を得るためには、前者のような能力である可能性が高いと考えられますが。
受験生一同はブハラの食べた量にドン引きしていましたが、同じプロハンターであるメンチやサトツが全く驚いていなかったのは、ブハラの能力がそういうものである事を知っていたからなのかもしれませんね。
もしブハラの能力が体内で発動するタイプの“発”だとすると、ハンターハンターの中でも他にはあまり居ないタイプの能力者なので面白いですね。
王位継承編でサレサレを仕留めたリハンの“異邦人”も、体内で念獣を育て上げるという特殊なヤツでしたけど。
キルア「殺してでもボールとりたくなっちゃうもんな」
初期のキルアの黒歴史。
ただ肩がぶつかっただけのハンター候補生を、ムシャクシャしてたってだけで惨殺してしまいました。
殺された彼らもまた二次試験までを勝ち抜いたそれなりの強者のはずですが、キルアの残忍性を際立たせるための噛ませ役になってしまいました。
個人的な見解ですが、アレって実際は「殺してない」んだと思っています。あくまでキルアの脳内イメージなだけで。
後に天空闘技場でサダソに見せた幻覚がまさにそれ。
飛行船の通路にバラバラ死体が転がっていたら騒動になりそうなものですが、一切そのことで騒がれているような描写はありません。
無実の人を無差別的に惨殺するような行為をゴンが黙っているとも思えません。じゃないと、ヨークシン編でノブナガとの腕相撲の時にブチギレてた理由が説明出来ませんし。
「キルアじゃなきゃダメなんだ」
いや、普通にツェズゲラに任せたらええやん。オーラ移動出来るって言ってんやし。
…って思ったのは僕だけ?
無駄にキルアの手ぇボロボロにして。大事な親友の手を何だと…大天使の息吹が無かったらどうするつもりだったの?
キルアじゃなきゃ遠慮しちゃうから全力出せないってどういうことよ??
このエピソードからも充分にゴンのサイコパスっぷりが垣間見えますね。
後のゲンスルーとの闘いで自らの腕を犠牲にしたのはキルアへの懺悔の気持ちもあったのかな…。「これでキルアとおあいこだからイイよね。」みたいな。
というかそもそもゴンのじゃんけんグーに耐えてるボールは一体何で出来てるんだ…って話はまた別の機会に…。
おわりに
HUNTER×HUNTERには、まだまだ他にもいろいろな「あれは一体何だったの?どゆこと?」な要素はありますね。
カルトの「兄さんを取り戻すため」発言や、キルアが爺ちゃんのドラゴンダイブを知ってた謎…など、多くの謎()があって、様々な考察がなされています。
その一つ一つが意図的に作られた伏線なのか、単なるミスなのかは作者にしかわかりませんが…
一つ言えるのは、それでも決してHUNTER×HUNTERという作品の面白さは揺るがない。ということ。
どんなに休載が多くても、どんなに絵が雑であっても、僕のように掲載を心待ちにしている読者がたくさんいます。
2024年12月末現在、連載はストップしていますが冨樫義博先生のX投稿によれば、この先50話分の台詞と時系列を確認調整中とのこと。冨樫は生きてる!期待して待ちましょう。
ナニカ。冨樫の腰を治せ。