物理的にも心理的にも「見える」ことが大事。【視認性】の大切さ

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小売の話
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コンビニやスーパーにおいて、同じ商品を仕入れて陳列して販売するにしても、陳列場所や陳列の方法によって売れ行きは大きく変わります。

お店にとって売りたい商品を如何にお客さんの目につくように陳列するか(視認性を上げる)、ということはとても重要なのです。

もっと簡単に言えば、お客さんの目に入る場所に陳列するということです。

「物理的に視野に入る」ことも大切なのですが、実はそれ以上に、「心理的な視野に入る」ということも大切になります。

今回は、そんな「視認性」について、コンビニでの売り場の作られ方をメインに書いていきます。

売れ残る瓶入りドレッシングのお話

まず初めに、これは実際に僕がコンビニで働いていた時のお話です。

一本200円程度で売られている瓶入りのドレッシングってありますよね。

コンビニではサラダが売られていて、その横に袋入りの一食分のドレッシングが30円程度で販売されていることが多いです。

お客さんはサラダを買う時に、その時の気分で一食分のドレッシングを一緒に購入していきます。

なので、一食分入りのドレッシングが売れ残って賞味期限切れになるようなことは滅多に起こりません。

しかし瓶入りの大きめのドレッシングに関しては、多くの場合サラダ売り場とは離れた調味料売り場に陳列されていることがほとんどなので、店側が気をつけていないと賞味期限切れが近づいてそのままロスとなってしまうことが間々あります。

そういうことが起こるたび「勿体ないなぁ。」と思っていた僕は、試しに瓶入りドレッシングをサラダ売り場に陳列してみることにしました。

結果、めっちゃ売れる!

毎日お昼ご飯にサラダを食べるOLさんなんかにジャストミートしたようです。

あんなに売れ残ってばかり(月に1〜2本ぐらいしか売れない)だったものが、陳列場所を変えるとこんなにも変わるのか!と、視認性や関連陳列の大切さを思い知った出来事でした。

ついで買いを誘発する、レジ横のお菓子

コンビニのレジカウンターの手元に、ちょっとしたお饅頭やチロルチョコなんかが置かれているのをよく目にしますよね。

あれは、ついで買いを誘発するためのお店側の巧妙な罠です。

人がコンビニで買い物をする時、間違いなくレジカウンターは視野に入るものなので、ほぼ100%のお客さんの目に入ります。

本来買うつもりではないお菓子でも、レジ横に置いてあればついつい手に取って買ってしまう人が少なからず存在するので、そんなお客さんの習性を利用して少しでも客単価を上げようというお店側の策略なのです。

エンド陳列

各陳列棚島のいちばん端の、お客さんにもっともアピールしやすい棚をエンドといいます。

特にお店に入ってすぐのエンドは最も多くのお客さんの目に触れるため、もっとも売り上げに貢献する可能性が高く、お店としても最重要な棚になります。

このエンド棚はシーズンエンドとも呼ばれ、お店がその時期に合わせて売り込みたい商品が陳列されることがほとんどで、クリスマスケーキやお中元などの催事モノをアピールすることが多いです。

季節商品を随時入れ替えて陳列する他にも、荒利率の高い商品を拡充させて利益率アップを狙ったり、早く売り切ってしまいたい値引き商品等をここに陳列して商品の回転を早めることにも使えます。

僕自身も過去には「メロンパンを1日100個売る」というお店の企画を達成するために、シーズンエンド一面にメロンパンを陳列したこともあります。

シーズンエンドを制する店が経営を制するといっても過言ではありません。

ゴールデンラインに注力

一般的な身長の大人が少し目線を下に向けた程度の高さに陳列された商品が最も手に取られやすく、この高さの陳列棚ゴールデンラインと呼ばれます。

一般的なコンビニの棚で言えば、上から2段目・3段目辺りの高さです。

特にコンビニにとって、このゴールデンラインでの売り上げが全体の8割を占めると言われるほど重要なラインであり、これを意識して売り場を作ることはお店にとっての生命線だと言えます。

また、スーパーなどでよく見かける最下段が出っぱっている棚(牛乳売り場など)は、目線の高さに加え、最下段もゴールデンラインになります。

日頃無意識で買い物している自分を思い返してみると、いかにゴールデンラインにある商品に手を伸ばしているかが分かると思います。

【終わりに】衝動買い一発勝負のコンビニ

一口に「買い物」と言っても、スーパーとコンビニでは様相が違ってきます。

「今日はカレーを作るから、人参とじゃがいもと玉ねぎを買おう。」

というように、スーパーでの買い物の場合目的買いの色味が強く、コンビニのように客の無意識下の行動に訴えるよりも、目的買いに応える売り場が作られます。

対してコンビニでの買い物は、

「お腹減ったな…。何か買おう。」

というように、客は明確な目的を持っていないケースが多く、そこに対して如何に商品を手に取らせるかという衝動買いを誘発する必要があるのです。

コンビニの売り場作りは、衝動買い一発勝負なのです。

その勝負のために、商品の視認性を上げる工夫をあの手この手で尽くしているのです。

この記事で紹介したこと以外にも、コンビニには無意識下の衝動買いを誘うための策略が張り巡らされています。

商品の配置だけでなく、販促POPの存在や店内放送、随時行われている様々なキャンペーンなどでも、お店に入った瞬間から僕たちの購買行動はコントロールされているのかも知れませんね。

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