バンドを初めてスタジオ練習を重ね、いよいよライブハウスで念願の初ライブ…!
「でも、いざライブハウスに行くとなると、どう立ち振る舞えばいいのか分からないな…。」
今回はそんな人のために、ライブハウスでのライブ当日の大まかな流れと、初ライブの心得を解説します。
今回は最も一般的な、通常のブッキングライブの場合を例にとって説明します。
リハーサル
入り
まず本番の前にリハーサルがあります。
その日の出演バンドごとにリハーサルを行っていくので、各バンドさんごとに入り時間が異なります。(逆リハといって、本番の出演順とは逆の順番でリハーサルをしていくことが多いです。)
当然ながら遅刻はしないようにしましょう。
リハーサルからライブは始まっています。リハの段階からタイムスケジュールはしっかり組まれているので、あなたの遅刻によって全体の流れに支障が出ます。
現地に着いたら、ライブハウスのスタッフさんや他の出演バンドの方々にきちんと挨拶しましょう。
(ライブ云々以前に、人としてあいさつ大事!その日のライブを一緒に作っていく人たちと気持ちよく過ごせるように。)
ドラム音出し
まずドラムのセッティングを手早く行っていきます。
大まかに、
1タムのセッティングでいくのか、2タムなのか。
スネアやシンバル等の持ち込み機材を使うのであればセッティングしておく。
その他、特殊な機材の使用や特殊なセッティングをするのであればスタッフさんに伝えておく。
セッティングが済んだら、ドラムの音のチェックからはじまります。
PAさん(音響さん)から「バスドラくださーい」とか「スネアくださーい」と指示されるので、その通りに叩きましょう。
そして「3点でくださーい」と言われる場合があるのですが、この場合の3点とは、ハイハット・スネア・バスドラムのことを言います。
つまり「ハイハット・スネア・バスドラでエイトビートなど、簡単なリズムを叩いてみてください。」
っていう意味です。
「セット全体でくださーい」と言われたら、タムやシンバルを含めてドラムセット全体でいろいろ叩いておきましょう。
ライドシンバルのカップの音や、スネアのリムショット等、自分が出し得る音はすべて出しておくと良いでしょう。
他の楽器 全体
ドラムの音出しが終わったらベースやギターの音出しに移って行くので、何か特別な演出上の理由などがなければむやみにドラムを叩くのはNGです。
他の楽器の音の邪魔をしないように。
ホール側から他の楽器の音を聴いてみて何か問題がないか、メンバーと一緒にチェックすると良いでしょう。
各パートの音出しが済んだら「全体でください」とか「曲でください」と指示があるので、バンド全体で音を出します。
事前にリハーサルでどの曲のどの部分を演奏するかを決めておくとスムーズです。
あくまで音響チェックのためなので、一曲丸々演奏したりテクニックを見せびらかすような時ではないので注意。
持ち曲の中で、全ての楽器の音が鳴るものを演奏しましょう。
バンド全体で音出しをして、何か気になる点があれば音響スタッフさんに伝えます。
「ベースの音量をもう少し(モニタースピーカーから)返してください。」とか「ギターの高音を抑えてください。」という感じです。
音響を調整してもらっていい感じに設定出来たら、最後にバンド全体で音出しをしてみて問題がないか確認します。
問題がなければ、その設定で本番もよろしくお願いします!という感じでリハーサル終了になります。
すぐに次のバンドさんのリハーサルに移っていくので、手際よくスネアやペダルなど自分の楽器を片付けましょう。
逆リハの一番最後(本番の一番手)の場合は楽器は片付けずにそのまま本番に向けてセットしたままにしておきます。
この場合、本番直前に焦ってセッティングする必要もなく最高の状態で本番に臨むことが出来るので、「本番は一番手がいい!」という人も多いです。
リハーサルが終わってから本番まで
リハーサルが終わってからライブ本番までの時間は基本的に自由ですが、その日のライブでご一緒するバンドさん(いわゆる対バン)の方には楽屋などできちんと挨拶しておきましょう。
対バンの人と仲良くなっておくと本番で自分たちの演奏を見てもらえたり、今後何かの機会でライブ出演のお誘いを頂けたりと、良い事だらけです。
バンド活動をしていく上で、他のバンドさんとの繋がりはとても重要です。
自分たちのバンドが気に入ってもらえれば、これから先イベントに呼んでもらえたり、他のバンドさんやお客さんにも自分たちを紹介・おススメしてもらえたりもします。
できればTwitterやInstagramなどのSNSで繋がっておくと、お互いの情報を手軽に受け取れていい感じです。
積極的に他のバンドさんとの交流を持ち、自分たちを知ってもらいましょう。
この時間で出来るだけ楽器のメンテナンスやチューニングをしておきましょう。
- スネアのヘッドはちゃんと張れているか
- ペダルのビーターのネジが緩んでいないか
- スティックは折れかけていないか
等々、本番中に思わぬトラブルを招かないように確認をしておきましょう。
もし何か不備があれば対応し、近くに楽器屋さんがあれば必要なものを買っておきましょう。
ドラマーあるあるとしては、「チューニングキーがない!」って状況がありがちです。事前に確認しておきましょうね!
リハーサルから終演まで長丁場になることもあります。
腹ごしらえをするにはこのタイミングで近隣のお店に食べに行くなどしておくのがベターでしょう。
ライブ本番
オープンの時間を迎え、お客さんをホールに入れてライブがスタートします。
自分達の出番が近づいてきたら、スティックやスネアなど自分の楽器をすぐに楽屋から持ち運びできるようにスタンバイしておきましょう。
直前のバンドさんの演奏が終わったら交代でステージに上がり、セッティングを手早く済ませます。
各バンドの持ち時間が決まっていることは多いので、セッティングに手間取ると持ち時間を押してしまうことになり、ライブ全体の進行に迷惑をかけてしまいます。
最悪の場合、演奏時間を削られることになり、予定していた曲目を演奏できなくなることも考えられます。
事前に準備出来る部分は極力済ませておきましょう。
本番中、自分たちの演奏に全力を尽くすことはもちろん大切ですが、出来るだけ対バンさんの演奏は観るようにしましょう。
たまに自分たちの出番はノリノリで演奏して後は楽屋でダルそうにスマホを弄ってるような人もいますが、ああいうのは一日一緒にライブを作る身として単純に気持ち良いものではないです。
特に初心者のうちは他のバンドの演奏を観ることで、いい面も悪い面も含めて学べることは多いので、出来るだけたくさん観ておきましょう。
その中でホントにカッコいいバンドや曲に出会えたらそれだけでも儲けもんですからね!
他のバンドさんの演奏を観ておくことで相手も自分たちの演奏を観てくれますし、終演後にお互いの演奏について褒め合ったりフィードバックし合えるのです。
終演後
全てのバンドの演奏が終わると終演となりますが、しばらくの間ホールを開放してくれるライブハウスは多いです。
ライブを見に来てくれた人や対バンの方々と交流して、その日のライブについてお酒でも飲みながら、あれこれ語り合いましょう。
「あの曲のこういう所が良かった」とか、「こういう所に気を付けたらもっと良くなる」とか、きっとこれから先に繋がるモチベーションになるはずです。
そして最後に忘れてはいけないのが、ライブハウスに支払う代金の清算です。
その日のライブにお客さんとして友人などをたくさん呼んでチケットが売れていれば、ライブハウスに支払う代金は少なくなります。
また、ノルマ数以上にチケットが売れていれば“チャージバック”として報酬を受け取ることができます。
チケットの値段やノルマ、チャージバック率はライブハウスやイベントによって様々です。気になる場合は事前にライブハウスのホームページなどで調べておきましょう。
精算時、スタッフさんや店長さんからその日のライブに関するフィードバックをもらえることは多いです。
良かった点、悪かった点、どうすればもっと良くなっていけるか等々、ライブハウスで日々多くのバンドを見ているプロの立場からたくさんのアドバイスがもらえる絶好の機会です。素直にお話を聞いて今後の成長につなげていきましょう。
ライブハウスによっては次回のライブ出演のお誘いをしてくれますので、不都合がなければお誘いを受けて次のライブの予定を決められます。
定期的にライブをすることでモチベーションにもなり、バンドの成長に繋がっていきます。
日々の地道な努力(練習)はもちろん大切ですが、ライブ本番の経験値はとても大きいです。
積極的に人前に出て演奏する機会を作りましょう!
まとめ
ライブ当日の流れを簡単にまとめるとこんな感じ。
- 入り
当然ながら遅刻は厳禁。もしメンバーが遅れる等の場合は早めにスタッフさんに報告、相談。
その日関わる全ての人にちゃんと挨拶。人として大事。 - リハーサル
リハーサルは個別に練習したり演奏をひけらかす場ではない。
音響や本番の段取りや演出をスタッフさんと確認するためのもの。 - 開演まで
本番のための機材等の確認を。
スネアやペダルの細かいチューニングや、メンバーとの曲目や演出の確認も。 - 本番
自分たちの演奏も大事だが、対バンさんの演奏も見る!いろんな演奏を観て学べる絶好の機会。
- 終演
お客さん、対バンさん、スタッフさんに感謝。
たくさんの人と交流して今後に繋げよう。
代金の清算。(売れるバンドマンになったらチャージでウハウハ。)
長くてアツくて楽しい一日が終わり、余韻に浸りながらライブハウスを後にするのですが、スタッフさんへの挨拶を忘れずに!
それと、忘れ物にも気を付けて!
スティックとかチューニングキーをステージや楽屋に置いてきてないかも最後にチェック!
どこのライブハウスにもそんな忘れ物が山ほど溜まっているはず…。
おしまい!
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