先日、大阪上本町にあるドラム専門店ACT(どらむ村)にふらっと立ち寄ってみた時のこと。
「何かいい感じのスティックでもないかなー」と、スティックの売り場を眺めていると、何やら黒っぽいスティックが目立つ形で置かれているのを発見。
“Carbon Fiber Drum sticks”
カーボンファイバードラムスティック…だと…?
売り場のPOPによると
「木製のスティックよりも耐久性があり、湿気の影響を受あけないのでスティックが反る心配もありません!」
とのこと。
そりゃ、ドラマーですもの。気になりますよ。
すぐさま手にとってみます。
木製スティックの長所はそのままに、“夢のような使用感”を誇る“超”高耐久性カーボンファイバースティック。
”夢のような使用感”とは、これまた大袈裟な…と半信半疑に思いながらも、実際に手に取って振ってみて思ったことを交えて、このカーボンファイバースティックのご紹介を!
圧倒的な耐久性と軽さ
カーボンファイバーとはその名の通り、炭素繊維のこと。
炭素繊維の最大の特徴は「軽くて丈夫である」こと。
商品パッケージにも記載のとおり、通常のヒッコリーなどの木製スティックと比べて10倍もの耐久性を誇るそうな。
そしてそんな強度なのに、その軽さの比重は鉄の4分の1程度だそう。鉄の4倍軽い!
とはいえカーボンスティックは通常、ヒッコリーよりも重量があるはずなのですが、このKUPPMENカーボンファイバースティックは内部を空洞化することで軽量化に成功しています。
軽量かつ耐久性があるので、とても扱いやすくバランスが良いので、個人的にはドラム初心者さんにこそオススメしたいと思えます。
扱いやすさ
「軽くて丈夫って言ったって、なんか質感が硬くて扱いづらいんでしょ?」
と、初めは僕自身も半信半疑で疑っていたんですが、手にとって少し振ってみると驚き…
ヒッコリースティックと同等の形状・サイズ感・リバウンド性を誇り、尚且つ軽いのでとても扱いやすく、すぐに手に馴染みます。
カーボンファイバースティックのデメリットは?
価格の高さ
近年様々な工業製品や車などにも採用されているカーボンファイバーですがそのデメリットとしては、加工のしづらさ・デザイン製の悪さ・価格の高さ が挙げられるそうです。
しかしこれらのデメリットは我々がドラムスティックとして使用するには特に問題があるわけではないですよね。価格の高さ以外は。
価格は通常の木製スティックの約三倍程にはなりますが、やはり耐久性が圧倒的に高く、木製スティックの10倍長持ちだと考えれば木製スティックを買い替えて使い続けるより遥かにコスパが良いと言わざるを得ません。
シンバルやヘッドへのダメージ
金属製のスティックに引けを取らない程の硬い素材で出来ているため、叩き方次第ではドラムセットを傷つけてしまう恐れがあります。
特にシンバルに対しては小キズを付けてしまったり、場合によっては割れや歪みの原因になることも考えられます。
通常のスティックを使う時もそうですが、無闇に力任せに叩いたり乱暴な叩き方は楽器の寿命を縮めることになります。
スティックを始め、すべての楽器を丁寧に扱いましょう。
「色々なスティックをその時の気分で使い分けたい。」という気持ちもよくわかります。
まずは1セット、スティックケースに常備してみてはいかがでしょうか?
通常の木製スティックとの音の違い
このカーボンファイバースティックは木製のスティックに比べて、高音が際立つ抜けの良いサウンドが出ます。
特にスネアはカン高く抜けた音に近づくので、パワフルなロックを演奏するのに相性が良い感じですね。
逆に、クラシックやジャズ、しっとりとしたバラードなどにはうるさすぎる印象を与えてしまうかもしれません。
演奏したい曲やシーンに合わせて使い分けるのがベターなのかなと感じます。
サイズなど、バリエーションは
サイズのバリエーションは5A・5B・7Aがあります。
- 【5A】14.2mm×405mm(標準的なサイズ)オススメ!
- 【5B】15.1mm×405mm(太めのサイズ)
- 【7A】13.5mm×393mm(細くて短め)
また、あえて先端の重量を増してリバウンドを抑えた【リバウンドコントロール仕様】の物も各サイズ販売されています。
さらにはアンプラグド(アコースティック)な演奏に適した、【カーボンファイバードラムロッズ】も各サイズ用意されています。
特にロッドは通常の木製のものは破損しやすいので、アンプラグドでの演奏の機会が多いドラマーさんは要チェックですね。
おわりに
カーボンファイバースティックは非常に耐久性に優れるとはいえ、絶対に折れないという訳ではないです。
長く使用していればいつか折れる時は来てしまうので過信は禁物ですが、やはり木製スティックと比べると段違いに長持ちです。
カーボンファイバースティックというものは木製スティックに比べるとまだまだ種類が少なく、価格も一見して高く思えるので、これからのドラマーのスタンダードになるかと言うとまだ疑問は残ります。
しかし今回出会ったこのKUPPMENのカーボンファイバースティックは、その耐久性や扱いやすさから考えると、これからの全ドラマーがサブスティックとして備えておくぐらいの価値は十分にあるのではと感じました。
僕個人的には、これからスティック選びに迷っている初心者さんの一つの選択肢としてカーボンファイバースティックを提案したいと思います。
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